ロバート・メイプルソープ
現在、荒木経惟とロバート・メイプルソープの花の写真を紹介する「百花乱々展」(こんな感じのもの)が、日本国内を巡回中です。エロティックでスキャンダラス...といった共通点はあるものの、表現の方向性は全然違うような気がします。
メイプルソープといえば、数年前に大きな展覧会が巡回しましたが、今回は「花」だけのようです。そんなわけで今月は、ロバート・メイプルソープを取り上げてみようかと思います。

(R) The Robert Mapplethorpe Foundation,Inc.
ロバート・メイプルソープ略歴
[Robert Mapplethorpe] (1946-1989)(アート・フォト・サイトのホームページから)
ロバート・メイプルソープは1946年11月4日ニューヨーク市、ロングアイランドのフローラル・パークでカトリック系中流家庭の6人兄弟の3番目として生まれます。10代の頃はサックスを演奏し、ミュージシャン志向でした。16歳の時にブルックリンに転居しプラット・インスティチュートで絵画、彫刻を学びます。
1967年に詩人で歌手のパティ・スミスと知り合い共同生活を開始しています。この頃からポルノ雑誌を切り取ってコラージュの制作をはじめています。1972年に大型ポラロイドカメラを手に入れ自分自身やパティ・スミスなどの仲間をモデルにしたり、身の回りの静物を使い、構成、色彩、照明、サイズ、フォーマットなどの試行錯誤を行います。また19世紀から20世紀全般のヴィンテージプリントの収集を友人のサム・ワグスタフとともに始めています。 
ロバート・メイプルソープは、アーティストとしては1973年にニューヨーク・ガーデンブック・マートで開催されたグループ展にポラロイド作品を初出展します。
その後、1976年ライト・ギャラリーでポラロイドによる初個展開催。花、ポートレートなどの作品を着色した箱に入れて展示しています。この頃ハッセルブラッドカメラを購入し、ネガフィルムによる作品制作を開始します。
1978年ミッドタウンの有名画廊のロバートミラーでパティ・スミスのポートレートを展示、同画廊の専属となります。メイプルソープは主に4つのテーマで作品を制作しています。それは花などのスティルライフ、ポートレート、ヌード、セックスです。初期から亡くなるまで一貫して情熱的にこれらのテーマごとの被写体および構図の中にバランスと完璧さを追い求めました。被写体が黒人メール・ヌード、生花、SMプレイであっても彼の一貫した美意識が貫かれていました。
その中でもロバート・メイプルソープに高い評価と同時に批判を与えたのが黒人ヌードとセックスのシリーズです。彼は黒人の肉体にブロンズ像と同様なフォルムの美しさを見出しました。このメール・ヌードは彼の同性愛的傾向と写真への興味が合体された重要な作品です。メイプルソープの評価と時代背景は密接に関連しあっています。1970年代の重要な社会問題は性の解放とゲイの権利獲得です。彼はその流れを支持し、ゲイやSMを自らのアート作品で取り上げ、アートとして表現することでこれらの嗜好を持つグループをサポートしようとしたのです。特に1977年から1979年にかけて制作された“Xポートフォリオ”はSM、性行為や性器が表現されていたことから論議の嵐を巻き起こし、現在でも評価が分かれています。彼の評価の高まりはゲイカルチャーの美意識に触れることが一種の流行だった当時の時代背景が関わっていたのです。

1980年には女性ボディービルダーのリサ・ライオンと知り合い有名なポートレート・シリーズの制作を開始、1983年に写真集“LadyLisaLion”にまとめられました。1980年代に入りロバート・メイプルソープの名声は高まり、各界の有名人、著名人からポートレート写真の依頼が目白押しとなります。商業雑誌やイブ・サンローランなどの広告の仕事も行なうようになります。作品制作ではコマーシャルがきっかけでカラー写真にも取り組みはじめます。1985年以降は多種多様な手法の表現方法を模索し、麻にプラチナプリント、絹にグラビア・プリントなどを開始します。作品を展示するフレームにもこだわりをみせています。
1986年エイズと診断され、病状が悪化に伴い遺産管理目的でメイプルソープ財団が設立されます。1988年にはニューヨークのホイットニー美術館(同美術館の一般情報、写真展等開催情報は海外美術館情報でご紹介しています)で写真家としては初めて大規模な回顧展が開催されています。フィラデルフィア大学現代美術館が“Theperfectmoment”という回顧展を企画、全米を巡回。その後シカゴのココーラン美術館が展示作品が不適切だと開催を中止し物議をかましたことでも有名です。1989年3月9日にエイズで死亡、3月18日にホイットニー美術館で追悼式が行われています。皮肉なことに彼を有名にしたゲイの美意識が原因で早世してしまったのです。日本では1992年に東京都庭園美術館、水戸芸術館などで回顧展が巡回開催されました。
(C)Copyright 2001 Blitz International All right reserved
ロバート・メイプルソープに関する書籍
| ●洋書を検索 | ||
| 伝記 | ||
| メイプルソープ MAPPLETHORPE A BIOGRAPHY | パトリシア モリズロー (著), 田中樹里(訳) 単行本 (2001/02/01) 新潮社 | |
| 写真集 | ||
| Autoportrait Robert Mapplethorpe Robert Mapplethorpe(Photographer),Richard | 1970年代始めに撮影された多くの未発表イメージを含む 65枚のセルフポートレートを集めた最新刊。 試行錯誤しながらスタイルを作っていく 写真家ロバート・メイプルソープの原点を知るための格好の一冊。 日本では紹介されていないので、直接amazone.comへ | |
| Pictures Robert Mapplethorpe Robert Mapplethorpe | 1976年から1980年にかけて撮影されたモノクロ103点で、ロバート・メイプルソープのSMやフェティズムに対するパーソナルな視点を中心に表示したモノグラフ。 | |
| Mapplethorpe Mapplethorpe,浅井 | ロバート・メイプルソープのキャリアの実像を知るための最良の一冊。 70年代のポラロイドによる初期作品から黒人ヌード、生花、ポートレートなどの代表作、 SMなど現在は入手困難なイメージも収録。 | |
| A Season in Hell Arthur Rimbaud | ランボーの「地獄の季節」をモチーフとした写真集。時代を超えたランボーとロバート・メイプルソープのコラボレーションである、「地獄の季節」の再版。見開きでフランス語と英語での表記 | |
| メイプルソープと美神たち ジョーン | ロバート・メイプルソープの冷徹なカメラアイに捉えられた「美しきものたち」の肖像。ハードカバー版 | |
| メイプルソープと美神たち 大型本 (1992/04/01) JICC出版局 | ソフトカバー版 | |
| Flowers―メイプルソープの花 パティ スミス (著), | 「花」がこんなにエロティックだったとは...。ハードカバー版 | |
| メイプルソープの花 大型本 (1992/04/01) JICC出版局 | ソフトカバー版 | |
| Flowers Robert Mapplethorpe | 洋書版 | |
| Robert Mapplethorpe –Flower ハードカバー (1999) teNeues Publishing UK | 洋書版ハードカバー | |
| Lady by Mapplethorpe 高野 育郎 (翻訳), | フォトグラファーとモデルは、共謀して互いの妄想を視覚化していく。リサ・ライオンの至上の肉体が,若きメロバート・メイプルソープのイマジネーションによって、激しく変貌する。肉体を讃美し、モダン・アートを逆行させようと試みる、世紀末の寓話に満ちた危険な写真の数々―。禁断の写真集。 | |
| Lady, Lisa Lyon Robert Mapplethorpe | 洋書版 | |
| Altars Robert Mapplethorpe | ||
| Robert Mapplethorpe –Calla Lily | ||
| ロバート・メイプルソープ写真集
| ||
| ニューヨーク・アーティスト50人 リチャード | ||
| ダイアリー・カレンダーその他 | ||
| Robert Mapplethorpe Diary 2002 | 欠品 | |
| Robert Mapplethorpe Calendar:2002 | 欠品 | |
| Robert Mapplethorpe Calendar:2002 | 欠品 | |
| Robert Mapplethorpe Pocket Diary 2002 | 欠品 | |
ロバート・メイプルソープに関するサイト
| The Robert Mapplethorpe Foundation,Inc. | ロバート・メイプルソープのオフィシャルサイト。彼の代表的な作品を見ることができる。また購入も可能。 |
| Film:ロバート・メイプルソープ Robert Mapplethorpe | 1988年 イギリス カラー 52分 ビデオ 出演=ロバート・メイプルソープ/パティ・スミス/リサ・ライオン/レオ・キャステリ/ケン・ムーディ/ローリー・アンダーソンほか このドキュメンタリーは、エイズによって彼が42歳の若さで亡くなる直前に完成したもの。メイプルソープのインタビュー、被写体となったアーティストや恋人たち、パティ・スミス、リサ・ライオンや画商のレオ・キャステリらが登場する。 |
























